農業生物資源研究所トップページ ＞ プレスリリースリスト ＞ 日中共同研究によりほぼ完全にカイコゲノム塩基配列の解読に成功
| プレスリリース |
| 平成２１年２月１０日 独立行政法人 農業生物資源研究所 |
日中共同研究によりほぼ完全にカイコゲノム塩基配列の解読に成功
- 昆虫科学・産業利用の新たな展開を切り開く -
ポイント
- ほぼ完全にカイコゲノム塩基配列を解読することに成功
- 遺伝子組換えカイコによる有用物質の生産、カイコゲノム情報の他の昆虫への応用による新たな農薬の開発など産業利用に大きく貢献できる
概要
農業生物資源研究所は、2006年3月のカイコゲノム情報統合の合意に基づき中国西南大学（中国・重慶）と共同で高精度カイコゲノムの解読を進めていたが、今回、ほぼ完全にカイコゲノム塩基配列を解読（カイコゲノムの91%）することに成功しました。
この解読は、日中の両研究機関が独自に解読したカイコゲノム塩基配列情報を統合し、東京大学大学院新領域創成科学研究科が開発したコンピュータプログラムを用いてつなぎあわせたことにより達成されました。今回のカイコゲノム塩基配列情報の公開は、遺伝子組換えカイコによる医療用タンパク質等有用物質や新機能絹糸の生産技術の開発を加速するだけでなく、カイコのみならず昆虫全般の遺伝子機能解析についての国内外共同研究を活発にし、新しい農薬開発を促進するなど、昆虫産業の新たな展開に大きく貢献するものと期待されます。
この研究成果は「Insect Biochemistry and Molecular Biology」のカイコゲノム特集号（2008年12月号）の巻頭論文として掲載されています。
予算：「アグリ・ゲノム研究の総合的な推進（昆虫ゲノム）」(平成19-23年度)
参考資料 [PDFファイル：477キロバイト]
The International Silkworm Genome Consortium
The genome of a lepidopteran model insect, the silkworm Bombyx mori
Insect Biochemistry and Molecular Biology
Volume 38, Issue 12, December 2008, Pages 1036-1045
Special Issue on the Silkworm Genome
doi:10.1016/j.ibmb.2008.11.004
The genome of a lepidopteran model insect, the silkworm Bombyx mori
Insect Biochemistry and Molecular Biology
Volume 38, Issue 12, December 2008, Pages 1036-1045
Special Issue on the Silkworm Genome
doi:10.1016/j.ibmb.2008.11.004
問い合わせ先など
| （独）農業生物資源研究所 茨城県つくば市 理事長 | 石毛 光雄 | |
| 研究推進責任者： | （独）農業生物資源研究所 理事 | 新保 博 |
| 研究担当者： | （独）農業生物資源研究所 特任上級研究員 | 三田 和英 |
| 電話番号：０２９−８３８−６１２０、電子メール：kmita@nias.affrc.go.jp | ||
| 研究協力分担： | 西南大学（中国、重慶市）教授 | 夏 慶友 |
| 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 | 森下 真一 | |
| 東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授 | 嶋田 透 | |
| 国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター 教授 | 小原 雄治 | |
| 社団法人 農林水産先端技術産業振興センター 農林水産先端技術研究所 所長 | 桂 直樹 | |
| 広報担当者： | （独）農業生物資源研究所 広報室長 | 新野 孝男 |
| 電話番号：０２９−８３８−８４６９ | ||
【掲載新聞】 ２月１１日水曜日：日本農業新聞、茨城新聞、常陽新聞、２月１２日木曜日：読売新聞、日経産業新聞、化学工業日報、２月１３日金曜日：日本農業新聞、２月１５日日曜日：毎日新聞、２月２０日金曜日：科学新聞、（参考記事：１１月１７日火曜日：朝日新聞第19面）
農業生物資源研究所トップページ ＞ プレスリリースリスト ＞ 日中共同研究によりほぼ完全にカイコゲノム塩基配列の解読に成功