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(独)農業生物資源研究所の省略形としては
「生物研」を使用願います。
生物研
解禁時間は、12月7日(金曜日)
午前2時(新聞は朝刊から)
プレスリリース
平成24年12月5日
独立行政法人 農業生物資源研究所

世界初!気象データからイネの葉で働くほぼ全ての遺伝子の働きを予測するシステムを開発

- 栽培中の作物の遺伝子の働きが予測可能になったことで、生育状況を正確に把握 -

ポイント
  • 水田で育つイネ(日本晴及び農林8号)のほぼ全遺伝子の働き(発現)を大規模に解析して得られたデータをもとに、気象データと移植後の日数から任意の遺伝子の働きを推定できるシステムを構築しました。
  • このシステムを使うことにより、過去の気象データを用いて高温障害などに関連する遺伝子を特定することが可能になります。
  • 将来的には、こうした遺伝子の働き方を指標にすることで、作物の生育状況を正確に予測することが可能となり、施肥時期や農薬散布時期等の最適化などが可能になると期待されます。

概要

  1. (独)農業生物資源研究所(生物研)は、つくば市内の水田で生育させたイネ(日本晴及び農林8号)の移植直後から登熟期までといった作期全体をカバーする数百個の葉のサンプルについてほぼ全遺伝子(27,201個)の発現量(遺伝子の働く度合い・程度、各遺伝子のmRNA1)量のこと。)を解析しました。さらに、得られたデータと、気象庁が計測した気象データ(風量、気温、湿度、日照、大気圧、降水量)、移植後の日数、(採取した)時刻をもとに大型コ量のこと。)を解析しました。さらに、得られたデータと、気象庁が計測した気象データ(風量、気温、湿度、日照、大気圧、降水量)、移植後の日数、採取した時刻をもとに大型コンピュータによる統計的な解析を行い、各遺伝子の「発現ルール(働きの変化を決めているルール)」を計算しました
  2. この計算の結果、イネの葉で働くことが分かった17,616個の遺伝子のうち、17,193個について、「気象データ」「移植後の日数」「時刻」を入力すれば、任意の遺伝子の発現程度を推定できるシステムを構築しました。
  3. 今回構築したシステムを活用することにより、過去の気象データを用いて高温障害などに関連する遺伝子を特定することが可能になります。将来的には、こうした遺伝子の働き方を指標にすることで、作物の生育状況を正確に予測することが可能となり、施肥時期や農薬散布時期等の最適化などが可能になると期待されます。
  4. この成果は12月7日、ライフサイエンス分野で権威のある米国の科学雑誌Cellに掲載予定です。
予算区分 : 農林水産省委託プロジェクト「新農業展開ゲノムプロジェクト」
プレスリリース全文 [PDFファイル:472KB]
【発表論文】

Atsushi J. Nagano, Yutaka Sato, Motohiro Mihara, Baltazar A. Antonio, Ritsuko Motoyama, Hironori Itoh, Yoshiaki Nagamura, Takeshi Izawa (2012)
Deciphering and Prediction of Transcriptome Dynamics under Fluctuating Field Conditions
Cell  151(6):1358-1369  DOI:10.1016/j.cell.2012.10.048

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長石毛 光雄
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 植物科学研究領域長飯 哲夫
研究責任者:(独)農業生物資源研究所 植物科学研究領域
 植物生産生理機能研究ユニット 上級研究員井澤 毅
 電話:029-838-7446 E-mail:tizawa@nias.affrc.go.jp
(独)農業生物資源研究所 農業生物先端ゲノム研究センター
 ゲノムリソースユニット ユニット長長村 吉晃
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 植物科学研究領域
 植物生産生理機能研究ユニット 特別研究員(現、京大PD)永野 惇
(独)農業生物資源研究所 農業生物先端ゲノム研究センター
 ゲノムリソースユニット 任期付研究員佐藤 豊
広報担当者:(独)農業生物資源研究所 広報室長 井濃内 順
 電話:029-838-8469
本資料は文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】 12月7日金曜日:日本経済新聞(夕刊)、日経産業新聞、日本農業新聞、化学工業日報
12月11日火曜日:日刊工業新聞
12月16日日曜日:読売新聞

» 関連リンク 生物研ニュース No.48 研究トピック

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