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解禁時間は6月14日午前1時
(日本時間)
プレスリリース
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平成24年6月11日
独立行政法人農業生物資源研究所
プライムテック株式会社
独立行政法人理化学研究所

免疫不全ブタの開発に世界で初めて成功

- 大型ヒト疾患モデル動物、抗体医薬品、再生医療に新たな一歩 -


ポイント
  • 免疫機能を喪失した免疫不全ブタの開発に世界で初めて成功しました。
  • 新たな大型ヒト疾患モデル動物の作出及び抗体医薬品の開発、再生医療技術の開発への貢献が期待される成果です。

概要

1.   (独)農業生物資源研究所(生物研)、プライムテック株式会社及び(独)理化学研究所は、遺伝子組換え技術と体細胞クローン技術の利用により、免疫に関与する遺伝子 ( IL2rg ) が欠損した免疫不全ブタの開発に、世界で初めて成功しました。

2.   開発した免疫不全ブタは、免疫器官である胸腺1)および免疫に関与する主要なリンパ球2)を欠失し、抗体が産生できませんでした。これらの免疫不全の状態は、ヒト重度複合免疫不全症と良く類似していました。

3.   今回の免疫不全ブタの成功は、小動物のマウスのみで可能であった免疫不全動物の開発を、ヒトとの類似性がより高い大型動物であるブタへ発展させることを可能とした大きな一歩です。また、抗体医薬品開発への利用、再生医療におけるiPS細胞由来のヒト培養細胞の長期安全性試験、実用的なヒト組織や臓器の再生に向けた最初の一歩としても、今後の活用が期待されます。

4.   この成果は、6月13日付けの米国の専門誌、「Cell Stem Cell」で公開される予定です。

予算:  農林水産省委託プロジェクト「動物ゲノムを活用した新市場創出のための技術開発(動物ゲノムを活用した新需要創造のための研究)」
参考資料 [PDFファイル:144キロバイト]
【発表論文】 Suzuki S, Iwamoto M, Saito Y, Fuchimoto D, Sembon S, Suzuki M, Mikawa S, Hashimoto M, Aoki Y, Najima Y, Takagi S, Suzuki N, Suhazuki E, Kubo M, Mimuro J, Kashiwakura Y, Madoiwa S, Sakata Y, Perry A.C.F., Ishikawa F, Onishi A (2012)
IL2rg Gene-Targeted Severe Combined Immunodeficiency Pigs.
Cell Stem Cell 10(6):753-758 DOI:10.1016/j.stem.2012.04.021

問い合わせ先など:

研究代表者:(独) 農業生物資源研究所  理事長 石毛 光雄
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター センター長 町井 博明
研究責任者:(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
医用モデルブタ研究開発ユニット ユニット長 大西 彰
電話:029-838-8635、電子メール:onishi@affrc.go.jp
プライムテック株式会社 先進技術開発チーム  チーム長 岩元 正樹
電話:029-830-4517、電子メール:iwamoto@primetech-jp.com
(独)理化学研究所 横浜研究所 免疫アレルギー科学総合研究センター
ヒト疾患モデル研究グループ  グループディレクター 石川 文彦
電話:045-503-9448、電子メールf_ishika@rcai.riken.jp
広報担当者:(独) 農業生物資源研究所 広報室長 井濃内 順
電話:029-838-8469

【テレビ放送】 6月14日(木曜日):TBS、NHK、【掲載新聞】 6月14日(木曜日):日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、茨城新聞、日本農業新聞、化学工業日報、日経産業新聞、読売新聞(夕刊)、6月22日(金曜日):科学新聞、6月29日(金曜日):日経産業新聞、【WEB配信】 時事通信、共同通信47NEWS、YAHOO!ニュースほか57件

関連リンク 生物研ニュース No.46 研究トピックス

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