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プレスリリース
平成24年2月22日
独立行政法人 農業生物資源研究所

葉の水分保持の仕組みを解明

- 乾燥耐性を目指した品種改良への貢献が期待 -


ポイント
  • 葉の表面を覆うクチクラ層の構造を維持するために必要な遺伝子を同定しました。
  • この遺伝子が壊れたオオムギやイネでは、葉の水分を保持できなくなります。
  • 乾燥耐性を高めた品種育成への貢献が期待されます。

概要

1.

陸上植物は、体の表面にクチクラ層(一般名:キューティクル)という構造をもち、乾燥から身を守っています。今回、(独)農業生物資源研究所(生物研)は、中国科学院およびイスラエル国・ハイファ大学と共同で、クチクラ層の構造が崩れていることから葉の水分を保持できないオオムギの突然変異体を解析し、その原因がABCG31遺伝子の機能消失によるものであることを発見しました。

2.

イネにおいても、オオムギと同様に、ABCG31遺伝子が機能を失うと葉の水分を保持できなくなり、乾燥耐性が著しく低下することが分かりました。また、陸上植物であるシダやコケにも共通の遺伝子があることを明らかにし、この遺伝子を持つことが陸上植物として生育できる条件となる可能性を示しました。

3.

今回の知見は、葉のクチクラ層を厚くしたり、クチクラの組成を改変することに道を拓くもので、乾燥耐性付与を目的とする品種改良に役立つことが期待されます。

4.

この成果は、平成23年7月26日に米国科学アカデミー紀要で公表されました。

予算区分:農林水産省委託プロジェクト「新農業展開ゲノムプロジェクト」(平成20-24年度)
参考資料 [PDFファイル:864キロバイト]

Guoxiong Chen, Takao Komatsuda, Jian Feng Ma, Christiane Nawrath, Mohammad Pourkheirandish, Akemi Tagiri, Yin-Gang Hu, Mohammad Sameri, Xinrong Li, Xin Zhao, Yubing Liu, Chao Li, Xiaoying Ma, Aidong Wang, Sudha Nair, Ning Wang, Akio Miyao, Shun Sakuma, Naoki Yamaji, Xiuting Zheng, and Eviatar Nevo (2011)
An ATP-binding cassette subfamily G full transporter is essential for the retention of leaf water in both wild barley and rice
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108(30):12354-12359
DOI:10.1073/pnas.1108444108  OPEN ACCESS ARTICLE

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長 石毛 光雄
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 農業生物先端ゲノム研究センター センター長 矢野 昌裕
研究担当者: (独)農業生物資源研究所 農業生物先端ゲノム研究センター
作物ゲノム研究ユニット 上級研究員 小松田 隆夫
電話:029−838−7482、電子メール:takao@affrc.go.jp
広報担当者:(独)農業生物資源研究所 広報室長 小川 泰一
電話:029−838-8469


【掲載新聞】 2月23日木曜日:日本農業新聞、化学工業日報

» 関連リンク 生物研ニュース No.44 研究トピックス

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