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プレスリリース
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平成23年6月20日
独立行政法人 農業生物資源研究所

イネの体内時計の役割を解明

- 体内リズムは品種の作期・栽培地域の拡大に重要 -


ポイント
  • イネで体内リズムを保つのに必要な遺伝子を同定しました。
  • この遺伝子が壊れ体内リズムが乱れたイネでは、田植え時期が遅れると、収量が大きく低下しました。
  • 体内リズムを指標とした選抜を行うことにより、環境適応能力の高い品種を育成できると期待されます。

概要

1.(独)農業生物資源研究所(生物研)は、東北大学、(独)理化学研究所と共同で、イネの体内リズムが乱れる突然変異体を同定し、その原因が体内時計に関わるOs-GI遺伝子の機能消失によるものであることを発見しました。
2.自然環境下で栽培したイネの遺伝子の働きを網羅的に調べると、発現する遺伝子の約半数が体内時計の影響を受けていました。
3.正常なイネでは遺伝子発現パターンが24時間周期で徐々に変動しましたが、Os-GI遺伝子の機能が消失し体内リズムの乱れたOs-GI変異体では、遺伝子の発現が変化し、Os-GI遺伝子が体内リズムに関与していることを示していました。
4.田植え時期を遅くしてOs-GI変異体を栽培すると、種子の稔性が低下し収量の低下が認められました。これは体内リズムを維持する能力が弱くなり、環境変化のストレスの影響を受けたためと考えられます。
5.異なる作期や栽培地域に適した品種育成を進める際、体内リズムを指標とした選抜を行うことで、環境適応能力の高い品種を得ることができると期待されます。
予算:農林水産省委託プロジェクト研究「新農業展開ゲノムプロジェクト」(平成20-24年度)
参考資料 [PDFファイル:320キロバイト]

Takeshi Izawa, Motohiro Mihara, Yuji Suzuki, Meenu Gupta, Hironori Itoh, Atsushi J. Nagano, Ritsuko Motoyama, Yuji Sawada, Masahiro Yano, Masami Yokota Hirai, Amane Makino, and Yoshiaki Nagamura
Os-GIGANTEA confers robust diurnal rhythms on the global transcriptome of rice in the field   OPEN ACCESS ARTICLE
The Plant Cell. Published online before print May 2011, doi:10.1105/tpc.111.083238

問い合わせ先

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長石毛 光雄
研究推進責任者:        植物科学研究領域 領域長飯    哲夫
研究推進責任者:        植物生産生理機能研究ユニット 上級研究員井澤    毅
電話番号:029-838-7446、電子メール:tizawa@nias.affrc.go.jp
研究推進責任者:       ゲノムリソースユニット ユニット長長村 吉晃
研究協力者:東北大学 大学院農学研究科 教授牧野    周
理化学研究所 代謝システム解析チーム チームリーダー 平井 優美
広報担当者:(独)農業生物資源研究所 広報室長小川 泰一
電話番号:029-838-8469


【掲載新聞】 6月21日火曜日:日本農業新聞、化学工業日報、7月6日水曜日:日経産業新聞
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