平成23年5月18日 独立行政法人 農業生物資源研究所 丸三綿業株式会社 |
シルクわた"シルクフィル"の開発
- 手作業で作る真綿(まわた)に代わる 製造工程の機械化・コスト低減が可能なシルクわたを開発 -
ポイント
- 真綿(まわた)と同じ暖かさ・吸湿性・放湿性を有し、真綿よりも嵩(かさ)と圧縮回復性のあるシルクわたを開発
- 製造工程の機械化によって手作業の真綿に比べて製造コストの低減が可能
- 布団わた以外にジャケット、膝掛け、ストール等にも利用が可能
概要
1. | (独)農業生物資源研究所は繭から手作業で作られる真綿(まわた)とは異なり、製造工程の機械化によって製造コスト低減が可能なわた"シルクフィル"を開発しました。 |
2. | 今回開発した "シルクフィル"は、まったく新たな発想で工程を機械化することにより製造コストを低減することができます。シルクフィルは1,500〜2,000粒の繭から一斉に糸を引き出し、外周1.5mの大枠に巻き取り、乾燥します。それを繊維だけにしてから、わた状に引き延ばします。その後、機械的に繊維にウェーブを付け、その形状を保つ処理を施します。 |
3. | こうして作られた"シルクフィル"は長繊維のため、布団にした場合に真綿のように布団の表面から繊維が出てくることがなく、ふくらみがあり、圧縮回復性や水洗い後の回復性も真綿布団より優れています。また、7〜8ミクロンの繊維が重なり合っているため、薄くても保温性に優れています。 |
4. | 今回開発した技術により、シルクの生活用資材としての利用の拡大が期待されます。 |
予算:(独)農業生物資源研究所 交付金
特許:特許第4568812号(平成22年8月20日)
問い合わせ先
研究代表者: | (独)農業生物資源研究所 理事長 | 石毛 光雄 |
研究推進責任者: | (独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター長 | 町井 博明 |
研究担当者: | (独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター | |
| 遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット 主任研究員 | 中島 健一 |
| 電話番号:029-838-6243、電子メール:kenchi@nias.affrc.go.jp |
| 元(独)農業生物資源研究所 | 林 千幸 |
広報担当者: | (独)農業生物資源研究所 広報室長 | 小川 泰一 |
| 電話番号:029-838-8469 |
本研究成果が、「2011年度技術トレンド調査(第2回)」において、「技術トレンド調査総合」で第4位、「「実用+市場+新規」の上位成果」で第1位となりました。 (掲載新聞:日経産業新聞:7月25日(月曜日)第11面、7月26日(火曜日)第9面)
【掲載新聞】 5月19日木曜日:化学工業日報、5月26日木曜日:繊維ニュース、5月30日月曜日:日経産業新聞、6月30日木曜日:茨城新聞
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