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 小川 智子
 家畜ゲノム研究ユニット
 主任研究員

現在どんな仕事(研究)をしていますか

 ブタゲノムの難解読領域には、免疫に関わる遺伝子(TcRやIgH)などが多く存在します。これらの領域について更に精密解析を行い、ブタ免疫システムに関与する遺伝子を明らかにしています。また、抗病性に関連するゲノム領域の多型検出に取り組んでいます。これらの研究を通して、病気に対して遺伝的に耐性度の高いブタの作出を目指しています。

生物研(研究という仕事)を選んだ理由・きっかけは

 大学の博士課程在籍中に共同研究を行っていた方から畜産試験場(現:畜産草地研究所)のポスドクを紹介していただき、応募したのがきっかけです。その後、畜産試験場の一部が生物研と統合されたのをきっかけに生物研に移りました。大学在学中は農芸化学で微生物に関する仕事をしていましたが、ポスドクとしての勤務をきっかけに家畜のゲノム解析にシフトしました。

研究という仕事の面白さややりがいについて教えてください

 物事を一方向からだけではなく、多方面から考慮・検証する必要があるのだという事に気がつかされた時、研究の奥深さと面白さを感じました。プロモーター活性により生じると考えられていた発現パターンの差異が、実はゲノムのコピー数に基づいていることが明らかになった時にそれを感じました。

今後の仕事(研究)における夢は何ですか

 現時点では主に免疫関連遺伝子のゲノム配列について精密解読を行っていますが、そこで明らかになった配列情報を元に、抗病性と関連がある多型を探索し、得られた多型情報を用いて免疫学的に抗病性の強いブタの育種改良が出来たら素晴らしいと思います。またこれにより、DNA情報を基にした育種技術への関心が高まり、畜産業の活性化に貢献できるといいなと思います。

仕事と家庭(生活)とのバランスについて、ご自身の考えや工夫されていることはありますか

 現在、3歳の息子がいますが、育児と仕事とで職場と家とをバタバタ往復する毎日です。そうしたこともあり、今でのように充分な時間を仕事に割くのも難しくなり、ジレンマを感じる事もあります。そうした中でも、周りと連携することで、自分でできることをこつこつとこなしていくように心がけています。

女子学生・ポストドクターへのメッセージをお願いします

 当研究所では、女性研究者が働きやすい職場作りを目指し、育児休暇の取得制度や、職員・契約職員の民間託児所利用時の料金の一部助成など、制度改革を積極的に行ってきています。私自身、任期付職員(任期5年)の期間に出産し、育児休暇を取得しましたが、現在ではパーマネント職に就くことが出来、研究を続けています。研究所内にはポスドク、常勤含め、女性の方が大勢いらっしゃいますので、いろいろ相談しやすい環境だと思います。また、研究の面でも、当研究所では設備が整っていますし、大型予算も積極的に獲得していますので、大変刺激的な環境であると思います。研究は、何より成果が求められます。性別にとらわれることなく思い切り研究に没頭し、自分の出した成果を、自信を持って世界に発信していけるようになってください。

[2013/01/30]

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