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西澤 洋子
遺伝子組換え研究センター 耐病性作物研究開発ユニット
上級研究員
病気に強い作物の開発を目指して、主にイネといもち病菌の相互作用を分子レベルで解明する研究をしています。イネはいろいろな耐病性機構をもっています。菌類の細胞壁成分を認識して抗菌物質を生成する等の防御反応を起こすこともその一つで、この認識・応答系を強化する研究を行っています。また、感染初期におけるイネといもち病菌の相互作用を経時的に蛍光観察するための研究も行っています。
高校時代に分子生物学と農芸化学に引かれて進路を決めました。研究職を得るためにはどうしたらいいのかを具体的に考え始めたのは、大学の授業で“研究は苦闘の連続だけど、年に1回の発見のために365日頑張れる”という恩師の言葉を聞いて、私もその発見する歓びを味わえる仕事をしたいと強く思ってからです。生物研を選んだ理由は、当時、民間企業に比べて性別を気にすることなく研究できると思ったからで、実際その通りだったことは先輩方のおかげだと感謝しています。
研究は課題設定、観察、仮説、実証、発表の繰り返しで、それが面白いわけですが、これまで多くの人々が積み重ねてきた、自然現象のメカニズムを明らかにし応用するという作業に自分も加われるということにやりがいを感じます。
病原菌の認識から病害応答までの全容を明らかにすることです。また、研究成果が生かされる合理性のある社会になったらと思っています。
心身ともに健康でいるために両者のバランスについて考えることが重要で、私の場合は、無理にバランスを取ろうとはせず、仕事も生活もできる分だけやっています。家族の理解と協力は必須だと思います。“人生山あり谷あり、その時々を味わおう”と思うようにしています。
書物や講演などで科学の進歩をフォローすることもできますが、自分の手で解明したいと思ったら実験設備のある研究所にいることが必要です。女性であることを理由に自分で限界を作ってしまわないようにして、研究という仕事を続けて下さい。また、回り道と思ったことでも後で振り返ると自分の糧になっていることが多いものです。人に倣うのではなく、ご自身のオリジナル人生を歩んで下さい。
[2011/06/30]
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