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実験計画の詳細(栽培実験計画) | ||||||||||||
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栽培実験名 | トウモロコシスクロースリン酸合成酵素(SPS)遺伝子を導入した組換えジャガイモの隔離圃場における収量性等に関する試験 | |||||||||||
実施独立行政法人・研究所名 | 独立行政法人 農業生物資源研究所 | |||||||||||
公表年月日 | 平成16年3月2日 | |||||||||||
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1.栽培実験の目的、概要 (1)目的 @ 組換え作物の開発の目的 ジャガイモはヨーロッパ、北米、アジアの多くの国で栽培されている重要な農作物である。ジャガイモの収量特性を向上させることは、我が国だけでなく世界レベルでの食糧増産においても重要である コメやイモは、光合成により生産された炭水化物がショ糖として種子や塊茎あるいは根に運ばれ蓄え作られたものである。ジャガイモは光合成によって得られた炭水化物の大部分をデンプンとして葉に蓄積することから、ジャガイモの収量や品質を向上させるためには、葉のショ糖合成能力を高め、炭水化物を速やかに塊茎(イモ)に運び出す必要がある。現在までにトマト等を用いた研究において、スクロースリン酸合成酵素(SPS)遺伝子を導入し酵素量を増加させることにより、ショ糖の合成速度が高められ収量や品質特性が向上することが報告されている。我々はジャガイモの収量や品質を決定するメカニズムを解析し、優れた品種の作出に向けた知見を得るために、トウモロコシのSPS遺伝子をジャガイモ(品種‘メークイン’)に導入した組換え体を作出し、解析を行っている。 なお、本栽培実験で用いるSPS遺伝子を導入したジャガイモは、SPS遺伝子の機能やSPS遺伝子導入がジャガイモの収量及び品質特性に及ぼす効果を解析する基礎的な研究を行うために開発した実験用植物である。本栽培実験で、SPS遺伝子の導入により収量や品質等の向上が確認されれば、組換え体の選抜に抗生物質耐性マーカーを用いない等の新たな戦略により、現在のジャガイモの主要品種へ遺伝子導入を行い、実用化を目指したいと考えている。 A 本栽培実験の目的 SPS遺伝子を導入することによるジャガイモの収量や品質特性に及ぼす効果について、実験室、温室等で解析を行ってきたところであるが、圃場栽培における収量性の向上等について確認するためには、野外の環境条件下で栽培し解析する必要がある。 このため、平成14年5月から11月まで、農業環境技術研究所内隔離圃場(以下、単に「隔離圃場」という。)で栽培を行ったところ、組換えでないジャガイモと比較して塊茎が大きく、ショ糖含量も高いことが明らかになった。作物の収量特性は栽培条件に強く影響を受けるため、組換えジャガイモの特性に関してより正確な情報を得るには、温室等におけるポット栽培ではなく畑で生育させ、さらに複数年にわたる解析を行う必要がある。また、平成14年の隔離圃場栽培では、栽培認可がやや遅れ栽培適期から外れていたため、平成16年度は関東地方におけるジャガイモの栽培適期(3〜7月)に隔離圃場において、組換えジャガイモを栽培試験を行い、収量や品質特性の解析を行うものである (2)概要 本栽培実験では、平成16年4月8日から平成16年7月末まで、独立行政法人農業環境技術研究所の隔離圃場で、組換えジャガイモの栽培を行う予定。 |
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2.栽培実験に使用する第1種使用規程承認作物 (1)作物の名称:トウモロコシスクロースリン酸合成酵素(SPS)遺伝子を導入した組換えジャガイモ(メークイン)(以下、「SPS遺伝子導入ジャガイモ」という) (2)第1種使用規程の承認取得年月日等 栽培実験に用いるSPS遺伝子導入ジャガイモは、栽培実験指針第5の2により第1種使用規程承認作物とみなされる作物である。 SPS遺伝子導入ジャガイモを用いた隔離圃場での試験は、「農林水産分野等における組換え体利用のための指針」に適合している旨の農林水産大臣の確認を平成14年4月30日に受けており、さらに平成15年3月31日に組換え体利用状況の報告において、15〜16年度 にかけて再度、隔離圃場において収量性に関する栽培試験を行う予定となったことを農林水産技術会議事務局長に報告し、受理されている。 (3)食品安全性承認作物又は飼料安全性承認作物の該当性 SPS遺伝子導入ジャガイモは、食品安全性承認作物・飼料安全性承認作物に該当しない。 |
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3.栽培実験の全体実施予定期間、各年度ごとの栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期 (1)全体実施予定期間 平成16年4月8日から7月末まで、隔離圃場で栽培を行う予定。 (2)各年度毎の栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期等
(参考) 平成17年以降の予定 SPS遺伝子導入ジャガイモを、研究所内の圃場で栽培するための第1種使用規程の承認を申請するか否かについては、本栽培実験の結果により判断する。 |
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4.栽培実験を実施する区画の面積及び位置(研究所等内等の区画配置関係) (1)第1種使用規程承認作物の栽培規模:3a (2)栽培実験区画の位置:別紙図参照 |
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5.同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 (1)交雑防止措置の内容 SPS遺伝子導入ジャガイモの母本として使用したメークインは、花粉稔性が低く、通常の栽培条件下では着果しないことが知られている。これまでに実施してきた閉鎖系、非閉鎖系温室実験において、本SPS遺伝子導入ジャガイモの花粉は稔性がないことを確認しているが、更に万全を期して、本栽培実験では花芽の付いた茎を開花前に刈り取ることとする。 |
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6.研究所等の内での収穫物、実験材料への混入防止措置 @ 実験材料を種子貯蔵庫から隔離圃場まで搬出する際には、こぼれ落ちないよう箱に入れて搬出する。 A 中間管理作業、収穫作業に使用する機械は、隔離圃場内専用の機械を使用し、使用後隔離圃場内で洗浄する。 B 収穫物は、ポリ容器に収納し、分析を行う実験室内に設置された種子貯蔵庫に保管する。 |
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7.栽培実験終了後の第1種使用規程承認作物の処理方法 @ 収穫した塊茎は特性調査後、すべて分析を行う低温室にて保存する。 A 葉、茎等の植物体地上部は、速やかに焼却処分する。(焼却は隔離圃場に設置されている焼却炉で行う。) B 塊茎、葉、茎等を除去した後の栽培実験区画は、冠水状態にし、土中に残った塊茎を腐敗させる。 |
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8.栽培実験に係る情報提供に関する事項 @ 説明会等の計画
その他、栽培実験実施中に、見学会を開催することも検討中であるが、詳細については当研究所ホームページに掲載するほか、プレスリリース等によりお知らせする。 A その他の情報提供 栽培実験の実施状況については、当研究所ホームページ(http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/)で情報提供を行う。 B 本栽培実験に係る連絡先
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9.その他必要な事項 | ||||||||||||
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(参考) ○これまでの開発・安全性評価の経緯 ○SPS遺伝子の働き・参考文献 ※当研究所ホームページで、当研究所における研究の概要を紹介しているので参照頂きたい。 農林水産省ホームページで遺伝子組換えに関する情報を提供している。 (http://www.s.affrc.go.jp/docs/genome/genome.htm) |
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