連携大学院

生物研で学ぶ 連携大学院

連携大学院とは

 生物研では、大学との連携のもと、大学の大学院生の資質向上を図るとともに、相互の研究交流を促進することによって、農業に関する学術及び技術の発展に寄与するため、研究所に大学院生を受け入れる連携大学院を、筑波大学東京大学名古屋大学東京農業大学横浜市立大学千葉大学山口大学と連携し実施しています。

 連携大学院の募集については、各大学へご連絡ください。

各大学の紹介のページ

 注:以下の情報は平成26年4月1日のものです。

 

働きながら学ぶ ジュニアリサーチャー制度

ジュニアリサーチャー制度とは

 生物研のジュニアリサーチャー制度は、若手研究者としての育成を図りつつ、研究所の研究能力とジュニアリサーチャーが有する斬新な発想と研究活力との融合を図り、基盤的かつ独創的な研究を一層推進すると期待される場合に、大学院博士(後期)課程在籍者を研究の業務に従事する契約職員として雇用するものです。
 

ジュニアリサーチャーの勤務形態

 ジュニアリサーチャーの勤務形態は日々勤務とし、1日当たりの勤務時間は7時間45分、週3日、かつ、月12日の勤務を原則としています。
 

ジュニアリサーチャーからひとこと

研究中の写真

働きながら学ぶことのメリット・デメリット
【メリット】 一般的な大学院のティーチングアシスタント(TA)/リサーチアシスタント(RA)よりも支援が充実しているため、経済的に非常に助かります。東京大学大学院でしたら、ジュニアリサーチャーと併用可能なRAもあります。また、生物研は所内で共同研究を行う事も多いため、異なる分野の方と関わることで視野を広げることができます。
【デメリット】 特にありませんが、出勤日は決まっているため、授業(集中講義など)がある日は注意が必要です。また、これはジュニアリサーチャーというより連携大学院に所属するデメリットかもしれませんが、ほとんど生物研におり大学に行く機会があまりないため、大学との関係が希薄になるように思えます。
受入研究室について
 受入れ研究室の生体分子研究ユニットでは、主に農業関連タンパク質の解析を行っています。解析対象タンパク質の由来は、微生物、昆虫、植物、家畜などと多岐にわたっています。解析手法として、溶液NMR、X線結晶構造解析、質量分析、バイオインフォマティックスを扱う研究員の方々が所属しております。私は、おもに生化学的手法とX線結晶構造解析を用いてタンパク質の機能解析を行っております。
研究テーマと業務について
【博士論文のテーマ】 大学院の所属講座である東京大学新領域創成科学研究科の応用生物資源学分野(生物研連携講座:林誠教授)のテーマとして、土壌の有用微生物(根粒菌・菌根菌)と植物の共生メカニズムの解明を構造生物学や生化学の手法を用いて研究しています。指導教員の林誠教授は植物共生機構研究ユニットに所属しておりますが、私は構造解析のために普段から生体分子研究ユニット(山崎俊正ユニット長)で研究を行っております。
【業務について】 生体分子研究ユニットでは、研究所内外からタンパク質の解析依頼を受け付けており、その中の硝化細菌由来酵素の構造解析などを担当しております。これら解析は依頼によって開始されたものですが、共同研究として行うため、博士論文のテーマと同様に論文にしますし、自分の業績にもなります。
その他コメント
 生物研は業務時間が定められていることもあり、規則正しい研究スタイルを身に着けている方が多いように感じます。そのため、なにかと騒がしい雰囲気のある大学とは異なり、集中して研究に打ち込むことが可能です。
 

指導教官からのひとこと

 これまで東京大学新領域創成科学研究科の連携講座で受入れてきた3名の大学院生をジュニアリサーチャーとして雇用していただいた。日本の大学院生は基本的に無給であり、奨学金やRAなどの制度があるものの、充分とは言えない。これに対してアメリカやヨーロッパ諸国の大学院生は有給であり、高学歴にもかかわらず収入がないことへの対応策となっている。当研究所で実施しているジュニアリサーチャー制度は連携講座への配属を促進するばかりでなく、大学院進学の活性化につながる。さらに、大学院の間にジュニアリサーチャーとしての業務を担うことは、将来的にアカデミックポストに就職を希望する場合に、経験を活かすことができる。したがって、ジュニアリサーチャー制度は今後とも有効に利用できることが望ましい。
(植物共生機構研究ユニット長 林誠)
 

受入研究室からのひとこと

 今回初めてジュニアリサーチャー制度を利用して大学院生を雇用させていただいた。創造力豊かな学生と共に学び、共に刺激を与えるような研究環境を作り出すことが出来ることは、受入研究室側の大きなメリットである。他方、雇用される大学院生にとっては、経済面での安定はもとより、学生の間に責任ある立場として研究に従事することが、自立した研究者さらには研究リーダーとして将来活躍するための貴重な財産となるはずである。以上のように、当研究所のジュニアリサーチャー制度は、雇用する側とされる側の両者にとってメリットの大きな制度であり、今後も活発に運用されることが望まれる。
(生体分子研究ユニット長 山崎俊正)
 

ジュニアリサーチャーOBからのひとこと

研究中の写真

働きながら学ぶことのメリット・デメリット
 1番のメリットは学ぶ環境でした。大学の研究室とは違った研究テーマに触れることができ、研究の幅が広がりました。また、お給料を頂きながら学位取得を目指すことができるので、経済的にも助かりました。デメリットとしては、大学と生物研を行ったり来たりしていたので、移動時間がもったいないかなと感じました。
研究テーマと業務について
 自分の博士論文の研究テーマと受入研究室の業務としてのテーマをいくつか並行して進めていく必要があったので忙しかったのですが、どちらのテーマも興味を持って取り組むことができたので充実していました。
その他コメント
 学生のうちに生物研のような公的研究機関で働く機会は少ないので、非常に良い経験になりました。大学や公的研究機関、民間企業など進路を迷っている人は一度体験してみると参考になると思います。 私は現在、公的研究機関の特別研究員として勤務しています。
 

<お問い合わせ先>
  国立研究開発法人農業生物資源研究所  研究企画調整室  研究推進チーム  (TEL:029-838-7435)
 

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