昆虫はその優れた環境適応能力を発揮し地球上でもっとも繁栄しています。その証拠に海以外のあらゆる陸地で昆虫を見つけることができますし、その生活史はとても多種多様で驚かされます。例えば、社会性を営むミツバチやアリ、17年も土の中で過ごすセミ、卵ではなくて母親と同じほどの大きさの幼虫を産み落とすツェツェバエ、モンシロチョウの幼虫に寄生するアオムシヤドリコマユバチ、越冬のために何千キロも移動するオオカバマダラなどなど。当研究所では、昆虫のもつ特異機能に着目して様々な研究に取り組んでいます。
私たちの研究ユニットでは、ネムリユスリカという、幼虫の身体がほぼ完全に乾いてしまっても死なないで、水に戻すと蘇生する驚異的な乾燥耐性を持つ昆虫を材料に用いて、その超能力の秘密に迫ろうと多くの視点から実験を行っています。このホームページでは、ネムリユスリカに関する研究成果や、それによって期待される応用技術の可能性などについて、できるだけわかりやすく皆さんに紹介していくつもりです。 |