農林水産研究成果10大トピックス
農業生物資源研究所該当分
2015年
- 第3位:
簡単に使えて、きれいに治すばんそうこう型人工皮膚を開発-生体適合性に優れた革新的な再生医療機器の開発に期待-
佐賀大学、農業生物資源研究所、祐徳薬品工業株式会社は共同で、ブタのコラーゲンから「アテロコラーゲンビトリゲル®膜」を使用した、ばんそうこう型人工皮膚を開発した。動物実験では、傷痕をほとんど残すことなく治癒されることを確認しており、生体適合性に優れた革新的な再生医療機器の開発が期待される。
- 第6位:
“ 人類最古の農業” 栽培オオムギの起源を解明-ムギ類の効率的な育成に期待-
農業生物資源研究所と岡山大学は共同で、オオムギの栽培化のルーツとなった実が落ちない遺伝子を特定し、世界の2 つの大きなオオムギ品種のグループを分子的に判定することを可能にした。2 つのグループの交配で現れる「実が落ちる」形質を、DNAマーカーを利用することで除去できることから、両者を交配する育種が効率的に実施でき、新たな性質をもつ品種の育成が期待される。
2014年
- 第6位:
オニグモ縦糸成分を含む「クモ糸シルク」を生産するカイコのクモ糸を紡ぐカイコの実用品種化に成功-大量生産への道を拓く- 実用品種の作出に成功した。クモ糸シルクは通常シルクよりしなやかさが向上し、切れにくさは1.5倍。また、糸の太さなどの性質は通常シルクと同様であり、機械加工もできる。今後、切れにくくしなやかな性質を活かして、伝線しにくいストッキングや、細くて強靱な微細手術用縫合糸等の医療素材等への展開が期待。
2013年
- 第5位:コメの粒数を左右する遺伝子(TAWAWA1)の発見!-イネの収量アップへの期待が高まる-
生物研は東京大学大学院を中心とする研究グループの一員として作物の収量増につながる新規遺伝子TAWAWA1をイネから発見しました。TAWAWA1は粒数を決める遺伝子であり、その働きが高まると粒数が増加し、働きが低下すると減少します。TAWAWA1の発現が程よく強くなった突然変異とコシヒカリを交配した系統では、粒数が増えたことから品種改良への利用が期待できます。
2012年
- 第4位:世界初!免疫不全ブタを開発 - ヒト組織や臓器の再生に向けた研究進展に期待 -
(独)農業生物資源研究所、(株)プライムテック、(独)理化学研究所は、遺伝子組換えと体細胞クローン技術によって免疫機能を著しく欠損させたブタを世界で初めて作出した。今回開発した「免疫不全ブタ」を活用して、ヒトの創薬の研究、新薬の前臨床試験、ヒト組織や臓器の再生に向けた研究が進められることが期待。 - 第5位:ブタのゲノム及び遺伝子配列の解読に成功 - ブタの品種改良の加速化に期待 -
(独)農業生物資源研究所、(社)農林水産・食品産業技術振興協会農林水産先端技術研究所が参加するブタゲノムコンソーシアムはブタゲノムの塩基配列の90%以上(およそ28億塩基)の解読を行い、25,000個の遺伝子が存在することを明らかにした。今回の成果を用いてブタの肉質・抗病性・繁殖性の改良の加速化、ブタの臓器移植等の医学用モデル動物としての利用が期待。
2010年
- 第5位:「コシヒカリ」の全ゲノム塩基配列解読 - 日本のおコメの起源と変遷が明らかに -
農業生物資源研究所は、「コシヒカリ」のゲノム塩基配列をほぼ解読。すでに解読済みの「日本晴」と比較して、塩基が1カ所だけ異なる「一塩基多型」を約67,000カ所見いだした。また、コシヒカリのゲノムの起源も明らかにしました。優れたイネ品種を効率よく開発できることが期待されます。
2009年
- 第1位:イネの品種改良に新たな歴史を拓く、いもち病抵抗性遺伝子の発見 - 美味しく、いもち病に強い品種を開発 -
農業生物資源研究所は愛知県農業総合試験場などと共同で、「陸稲(おかぼ)」から、新しいタイプのいもち病抵抗性遺伝子(pi21)を発見し、ゲノム情報を利用して美味しくいもち病に強いイネ「中部125号」の開発に成功。遺伝子の位置情報を利用して長年にわたる品種改良の問題を解決した初めての事例で、ゲノム情報を利用した品種開発の高度化に期待。 - 第4位:ブタゲノム塩基配列の概要解読が完了 - 美味しく安心できる豚肉生産や医療用モデルブタ開発を加速 -
農業生物資源研究所、米イリノイ大学、英サンガー研究所などの国際研究チームは、ブタゲノムの約98%の解読を完了。DNA情報を用いた良質で病気に強いブタ育種の加速化や、医療用実験モデル動物としてのブタの開発促進に貢献することが期待。 - 第10位:植物の免疫システムをかいくぐる、カビの「ステルス作戦」の発見 - 病原カビに対する新たな防除法の開発に期待 -
農業生物資源研究所は、イネのいもち病菌は、イネ表面のワックス成分を認識すると多糖類α-1、3グルカンが菌の表面を覆い、これによってイネの自然免疫システムに探知されずに感染することを発見。イネにα-1、3グルカンを分解する能力を付与することにより、いもち病菌のみならず病害カビ全般に対して強い抵抗性を持つイネの開発に期待。
2008年
- 第1位:蛍光色を持つ高機能絹糸・繊維の開発に遺伝子組換えカイコを用いて世界で初めて成功
(独)農業生物資源研究所は、東レ(株)、東京農工大学、群馬県蚕糸技術センター、群馬県繊維工業試験場、理化学研究所及びAmalgaam有限会社との共同研究により、遺伝子組換えカイコによる蛍光色を持つ高機能絹糸・繊維の開発に成功。高級織物としての利用が期待。
2007年
- 第1位:イネでいもち病など複数の病害に強い防御機能を発揮する遺伝子を、世界で初めて発見
(独)農業生物資源研究所は、イネの遺伝子「WRKY45」(ワーキー45)に、いもち病を含む複数の病害に対して極めて強い防御機能があることを世界で初めて発見。安定した病害抵抗性品種育成への利用が期待。 - 第7位:イネの遺伝子数は約32,000と推定、うち、29,550の遺伝子の位置を決定し、情報を公開
(独)農業生物資源研究所は、(独)産業技術総合研究所および情報・システム研究機構国立遺伝学研究所と共同して、イネのゲノム全塩基配列上に存在する 29,550の遺伝子の位置を決定し、これをもとにイネの遺伝子数は約32,000個と推定。今後のイネ育種など研究の促進に大きく貢献するものと期待。 - 第10位:特定の除草剤に耐性をもつイネを、必要な遺伝子だけをピンポイントで組み換えて作ることに世界で初めて成功
(独)農業生物資源研究所とクミアイ化学工業(株)は、イネが元々持っている遺伝子を意図した通りにピンポイントで改変することに成功。デザインどおりの品種改良が可能になると期待。
2006年
- 第8位:イネ栽培化の鍵となった脱粒性抑制遺伝子を発見
(独)農業生物資源研究所、(社)農林水産先端技術産業振興センター及び(独)国際農林水産業研究センターは、熟したときに種子が穂から落ち易い性質を抑制する遺伝子を同定。インディカ米の収量の増加に期待。
2005年
- 第1位:スギ花粉症緩和米によるアレルギー症状の緩和 - マウスで科学的有効性を証明 -
- 第2位:イネゲノム塩基配列国際コンソーシアムが37,000個の遺伝子を解析 - 完全解読塩基配列を基に、イネゲノムの詳細な特徴が国際共同研究で明らかに -
- 第8位:バイオメディカル産業に貢献する遺伝子組換え豚と山羊の生産に成功
2004年
2003年
- 第1位:イネの遺伝子3万2千個の収集・塩基配列解読終了
- 第4位:イネ種子における低グルテリン形質の発現メカニズム - 腎臓病患者向けの、より優れた医療用低蛋白質米品種の開発 -
- 第6位:ペプチド薬を多量に含む遺伝子組換え米の作出システムを開発 - 試験管レベルでインスリン分泌促進を確認、糖尿病患者に朗報 -